派遣とかそういったもの
CNETにこんなエントリーがあった。
派遣切りって言っても3Kには行かないの? 選んでる余裕あるの?
ネット界隈での反応は色々ですね。俺にとっては他人事ですが、この人が言っていることは理解できるし、共感できますね。ただ、派遣というのは、いったい何のことを指しているのかよくわからないです。派遣と言われている職業形態にはいくつか種類があって、だいたい以下の3つに分けられます。
- 派遣社員
- 請負
- 期間工
派遣社員は一定期間(だいたい6ヶ月)毎に契約の更新を行います。給与体系は時給で、正社員と同じ程度の福利厚生が付きます。派遣会社の社員として扱われるところもあるようです。
請負は業務請負というヤツです。グッドウィルとか、日雇い派遣と呼ばれるものです。扱いとしてはアルバイトです。福利厚生はありません。驚くほど皆無で、交通費すら支給されなかったりします。
期間工は経験がないので知りませんが、タウンワークの裏表紙にTOYOTAあたりが出してるヤツです。1年の半年は期間工で働いて、残りの半年は海外を放浪して歩いてる人とかがいるみたいです。
世間で言われる派遣というのは、いったいどれを指しているんでしょう。どの形態も問題かもしれませんが、その中にいる人間は大きく違います。俺が経験したことがあるのは、1と2です。そこにいる人間の種類は、同じ人間とは思えないほど大きく違っていました。(この後は1を派遣社員、2を業務請負と呼びます)
派遣社員をやっていたのは、とある県立高校です。派遣会社が県立高校すべてへ派遣社員を送り込むという壮大なプロジェクトだったので、まんまと潜り込んだわけです。ただし、半年のみで契約更新はありませんでした。ここには、社会経験を積んでいる人も、そうでない人もいましたね。
業務請負は最長で半年、その後もちょこちょこやっていました。工場へ行く日もあれば、倉庫へ行く日もある。建築現場が多かったのですが、民家(全滅した家で遺品整理です)へも行ったし、色々です。集合場所へ集合して、点呼を取ったり取られたりして、その日の現場へ向かいます。初対面の人もいれば、いつも顔を合わせる人もいます。つまり、寄せ集めですね。
さて、この2種類の派遣ですが、そこで働いている人間の本質はまったく別のものだと言っていいでしょう。派遣社員は自分が社会の構成員であることを自覚しています。社会のために働き、その対価として賃金を貰うということを理解し、行動しています。
俺がやった仕事は、基本的にはヒマなお仕事なので、仕事中に資格取得やスキル向上のために勉強する人が多かったです。エリア毎に分けられたチームが円滑に仕事ができるようにメーリングリストを作ったり、意見を交換しあったりしていました。契約終了後は、この仕事をきっかけにNPOを作る人がいたり、独立したりした人もいました。
誰もが仕事というものに真剣に打ち込んでいました。というより、仕事を通して生きるということに真剣でしたね。半年限定の仕事に例外はなく、共通でしたが、それぞれの目標は違っても、仕事を通して成長を図るということをしていました。
一方で、業務請負の方は、これとは真逆です。もちろん、誰もがそうではありません。ただ、10人いて、仕事ができたり、仕事をしようとしたりするのは、3人、運がよければ5人程度です。その3〜5人は社会経験がある人か、たまに大学生ですね。どこかで正社員をしていて、止ん事無き理由で業務請負に流れてきたような人となぜか学業でなくバイトに励む大学生です。
残りの人達は、自分が社会の構成員であるという自覚はまったくありません。言われたことだけやっていればいいや、というような人です。仕事を通して何かをしようとしたり、一時しのぎのためだったりするようなこともありません。明日のことは考えているけど、来週のことは考えてないような人々です。もちろん、コミュニケーションもありません。仕事を円滑に進めることもしません。言われたことを決められた時間までやるだけです。まさに機械。
ある時、リーダーが俺にぼやいたことがあります。「仕事できる人を見分けるのは簡単だよ。あんな風に『人生どうでもいいや』という目をしてるヤツで仕事できるヤツがいたことはない」って。これと同じ事を考えていたので、激しく同意しました。
あと、様子がオカシイ人も多くいます。カテゴリー的には人生どうでもよくなちゃった人にさらに拍車をかけた人です。
おそらく、このブログで言っているのは、様子がオカシイ人のことでしょう。彼らは障害者ではありません。健常者と障害者の中間です。社会生活はできます。知能が確実に遅れているんです。電車に乗ったりすると、キモオタでもないし、メンヘルでもないし、障害者でもないけど、何だかよくわからないけど様子がオカシイから近寄りたくない人っているでしょう?アレです。目の焦点が定まってなかったり、不思議な負のオーラを背負っていることが多いです。
でも、こういった人と出会うことは稀です。こういう人達は、こういう人が集まる現場に行きます。工場や倉庫といった単純作業でコミュニケーションが必要ない現場ですね。こういった人を受け入れてくれる現場へ送り込まれます。俺は建築現場とか、ガテンな場所を希望していたので、こういう人とは会いませんでした。ただ、工場や倉庫で出会ってしまう確率は多かった。
こんなように、派遣社員と業務請負では人間の種類が大きく違います。業務請負という現場を一度見てしまうと、派遣という問題の見方が変わるかもしれません。グッドウィルとかは年中無休で面接をやっているので、行ってみたらどうでしょう。土日だけでもできたりしますよ。
俺が色々な現場(主に工場と倉庫)で見てきた限り、業務請負の人々に働く気はあまりありません。給料が安いだの、何だのとは言ってますが、彼らの労働意欲が低いのが一番大きな理由です。人生どうでもいいんだから、無理もありません。
一つだけ言えることは、彼らに寝床と食料を与えたら、さらに働くなるということだけです。それと、飲食業といったサービス業は絶対にできません。人と話せないし、話そうとしないし、仕事だと割り切ることもできません。そもそも、何をやってもダメな気がしますし、本人達もダメだと思っています。求人票を見ただけで、ダメだと思うのでしょう。「とにかくやってみよう」というポジティブな気持ちはありません。一切。
俺は非コミュですが、サービス業の正社員をしてました。店長もしてました。仕事だと割り切ってやってましたね。非コミュでも、できなくもない仕事ですが、仕事に対して真剣でなければできません。