ニューヨーク出身のデスメタルバンドのライヴアルバムです。デスメタルの創成期を支えたバンドで、1998年に解散して2002年に再結成したバンドで、リリース枚数が比較的少ないのでアルバムが集めやすいです。
新譜の「Blood Oath」や前作の「Suffocation」あたりはスラッジに少し寄ったかなっていう印象なんですが、このライヴアルバムは最初から最後までブルータルなオールドスクール・デスメタルです。たっぷり13曲、1時間ブラストビート全開で濃密な内容となっています。素晴らしい。
臨場感溢れる程度に低音質っていうのも個人的にはすごくポイント高いです。音質が良すぎるライヴアルバムは、なんだかリアリティがないので、これくらいがちょうどいいと思います。曲の間にちょこちょこ入るMCもいいですね。「サークルだ!」なんて言われると、「よーし!やるぞぉ!」ってなります。
目を閉じるとモッシュピットが見えてくるようなライヴアルバムで、ライヴアルバムとはこうあるべしっていう作品です。期待してたよりもずっとよかった。

“Close of a Chapter” (Suffocation)

“Blood Oath” (Suffocation)
カリフォルニアのメタルコアバンドの4thです。前作あたりから作風が変わったらしいんですが、前作より前のアルバムを聴いてないので、どう変わったのかわかりません。
今回のアルバムですが、メタルコア成分がなくて退屈です。ほとんどミドルテンポの曲でグルーヴ感もないので、それほど楽しいアルバムじゃないです。5曲目の「Black Days Begin」や6曲目の「Gallows」あたりは好きな曲調ですが、なんかしっくり来ないかなぁっていう感じかな。
終盤、11曲目の「Ravenous」と12曲目の「Lonely」が疾走曲でそこそこいい感じだけど、13曲目(最後)の「Wait For You」はバラード曲で不完全燃焼感が拭いきれないまま終了してしまうのは残念ですね。終盤に辿り着くまでが退屈で、通して聞くのはけっこうキツいです。ツボに入りきらないけど、そこそこいい感じの曲が中盤あたりからチラホラ見えるんだけど、なんだかモヤモヤ感が消えない1枚でした。最後の「Wait For You」はけっこう好きなバラードです。
メタルコアっていうよりもオルタナティブといった感じなので、メタルコアを期待すると完璧に裏切られます。バンドの善し悪しはアルバムでなくライブなので、来年1月のTOCでどんなもんか見てやろうかと思ってます。

“Congregation of the Damned” (Atreyu)
ノルウェーのブラックメタルバンドの8thアルバムです。1991年あたりから活動していたので、順調に活動していれば8枚くらい出すんだなぁ、と少し感慨深い気持ちになりますね。
初期のアルバムではプリミティブ・ブラックな音をしていましたが、最近はミドルテンポの曲が中心ですね。このアルバムもミドルテンポなアルバムで、発売日が同じだったBelphegorとは違う路線です。5曲目の「Rebirth」あたりなんかは、むしろドゥームに近い印象を受けました。
邪悪さはあまり感じず、ブラックメタルというよりはスラッシュっぽい香りがするんですが、暗黒なブラックメタルらしい寒々としたギターリフが随所に盛り込まれていていい感じです。最初に聞いた時は、けっこう退屈だったんですが聞いているうちに味が出てきて病み付きになりました。なかなかのスルメ盤ですね。
ブラックメタルと構えてしまう人も自然に聞けるんじゃないかなって思います。最近出たのだと、Immortalあたりと同系統じゃないかな。

“Quantos Possunt Ad Satanitatem Trahunt” (Gorgoroth)
オーストリアのブラックメタルバンドの8thです。
いつも通り邪悪な一枚になっています。オーストリアとか、デンマークとかのデス/ブラックはやたら凶悪っていう印象があって、最近は本国ノルウェーよりも裏切らない国々じゃないかなって思います。
内容はジャケットがすべてを語り尽くしていて、邪悪な39分です。1曲目の「Walpurgis Rites」は邪気を振りまく攻撃的なナンバーですが、2曲目の「Veneration Diaboli – I Am Sin」ではこのバンドにしては珍しい7分という長い曲で、若干の失速を見せますが鬱曲ではなく、ちゃんとブラックメタルしているナンバーです。このバンドでは最長曲かな。少なくとも、俺が持っているアルバムでは最長です。
ファスト・ブラックらしい曲で攻め立ててつつ、途中で減速するという流れでBelphegorらしい作りだと思います。6曲目の「Der Geistertreiber」はかなり遅めの曲ですが、鬱曲というわけでわなく、どちらかというと邪なものが滲み出るような曲で、何度が聞いてるうちに病み付きになりそうです。
来年あたりに来日してほしいですね。Dark Funeralもそろそろ新譜を出すので、Dojoあたりに出演してほしいです。

“Walpurgis Rites – Hexenwahn” (Belphegor)
マサチューセッツ出身のカオティック・ハードコアバンドの8thです。このジャンルの代表格バンドで、Dillinger Escape Planと双頭を為すバンドじゃないかと思います。
新作はConvergeっぷりを大発揮したアルバムで、1曲目の「Dark Horse」から脳天を揺さぶられるような衝撃でした。中盤まではそのままま大暴走し、Converge特有のスラッジベースの展開に入り、また 大暴走という展開です。脳みそをシェイクされっぱなしなんですが、12曲目の「Cruel Bloom」、13曲目の「Wretched World」では一転して落ち着いた曲になり、落ち着きすぎて逆に狂気を感じる。
カオティック・ハードコアの雄として恥じる点がないアルバムで、2009年のアルバムトップ10に確実に入るアルバムです。12月にBrutal Truth(こちらの新譜も大変いい)と一緒に来日するので、とても楽しみです。きっと荒れ狂うライブになるんだろうなぁ。

“Axe to Fall” (Converge)
スウェーデンのメロデスバンドの4作目で、ボーカルがチェンジしてツインボーカルになって初めてのアルバムです。デスボイスとクリーンボイスのギャップがやたらあるバンドなので、ツインボーカルという策を取ったのでしょう。
実は前作を持ってないっつーか、聞いてたないんですが、ギターワークがこんなにしっかりしてたかな?かなり、ネオクラというか、典型的なメロデスになってて驚きました。1stや2ndは、Soilworkみたいなモダンなメロデスという印象が強いので、この原点回帰のような変化は逆に新鮮かもしれませんね。
とはいいつつ、ギターリフなんかは昔のままで、モダンなメロデスという感じです。キーボードによる浮遊感がなくなって、その分ネオクラチックなギターソロが入り、以前より音がしっかりした曲調になってる。ボーカルもツインボーカルなので、デスパートとクリーンパートのメリハリもしっかりついてます。ツインボーカルっていうのが、少し芸がない気がしますが、普通に聞いてる分には気にならない。
そこそこ聞けるアルバムなのだけど、メロデス自体が頭打ちなので何だかどこかで聞いたことある感じっていうのは否めない。「メロデスが好きで好きでたまんねーぜ!」という人以外は普通にスルーしてもいいと思います。

“Dark Matter Demensions” (Scar Symmetry)
ニューヨーク出身のメタルコアバンドの5thです。1998年結成なのでKillswitch Engageより結成は早いんだけど、知名度がそんなにない気がします。メタルコアっていうよりも、ハードコアっぽいですね。ここらへんの線引きは難しいところなので、どっちとは言えないバンドがけっこうあります。USのWikipediaにMetalcoreとあるのでメタルコアなんでしょう。ちなみに、KsEはMelodic metalcoreとありました。なにそれ?
1曲目の「Roman Holiday」はドゥーム/スラッジっぽい曲調でヘヴィかつ遅いんだけど、その後はアップテンポな展開です。「Roman Holiday」で始まった時は、全曲この調子なのかと少し不安になりました。ドゥームは嫌いじゃないけど、このバンドに求める要素じゃないしね。
全体的な曲調としてはハードコアっぽくてメタルコアなフレーズはあんまり出てこない。変拍子が基本だけど、そんなに変態的な印象がなくて、すっきり聞けます。おもしろいのが隠し味っぽく暴走系ロックンロールの要素を含んでるところですかね。11曲目の「The Sweet Life」なんか、モロに暴走ロックンロールです。そこらへんが変拍子基本のハードコア/メタルコアなわりにすっきり聞けるポイントかもしれません。
おもしろいアルバムではあるけど、そんなに刺さるアルバムではないですね。ひとつひとつのポイントが分散して全体的に薄味になっている感じなので、楽しく聴けるけど後味が薄いです。

“New Junk Aesthetic” (Every Time I Die)
スウェーデンのブラックメタルバンドMardukの11枚目のアルバム。
速いテンポの曲は邪悪かつ暴虐に攻める一方で、ミドルテンポの曲では暗闇に引きずり込むかのような様相になるのは、個人的にはかなりポイント高いです。最長トラックである7曲目の「To Redirect Perdition」では、いい感じに死にたくなります。
全体的な展開としては、突き進んでユルくなってさらに突き進むという感じで、ちゃんとメリハリがあります。ひたすら突進し続けるのも好きだけど、こういう展開の方が好きです。
そういうわけなので、全曲ブラストビートの「Panzer Division Marduk」が最高で、この路線以外のMardukは認めない人にはインパクト不足であることは間違いないです。
個人的には、1枚のアルバムで色んな様相を見せてくれるアルバムは大好きなので、素敵なアルバムだと思います。デスメタルは聞くけどブラックメタルは聞かないっていう人に聞いてもらいたい1枚です。
★★★★★
Terrorのライブを見に行ったときに、DOGGY HOOD$がチラッと名前を出したバンドがHoodsで、少し気になったので買ってみました。カリフォルニアのハードコアバンドで、6枚目の新作だったようです。一緒に5thの『Ghetto Blaster』も買いましたよ。
コテコテのハードコアで、リズム重視の曲もけっこうあるんですが、激走の20分(11曲入り)という印象。重量感はそんなに感じないので、体感ではホントにあっという間に終わりますが、満足度は問題なしです。ハードコアらしく激しく短くで、タイトル通りPit Beastに相応しい内容になっています。
どうやら、来日するようなので、行けたら行きたいなと思います。ハードコアのライブは情報が少ないので知るのが難しいんですが、東京は11月20日 18:00、新宿ANTIKNOCKのようです。LAWSONチケットには大阪公演の前売りが出ています。ハードコアのライブはチケット代が良心的なので興味があれば足を運んでみるといいんじゃないでしょうか。
ノルウェーのブラックメタルバンドの8枚目のアルバムです。7年ぶりのニューアルバムなので、Amazonでオススメされるまでリリースのことをまったく知りませんでした。Twitterにオフィシャルアカウント作ったり、ImmortalオフィシャルiPhoneアプリなんてのがあったり、活動は盛んにやっているようです。外見はリアルDMCです。
寒々しい、凍えるようなギターが特徴でブリザード・ブラックなんて呼ばれています。「Blizzard Beasts」あたりで全開だったんですが、今作ではあまり見られず、プリミティブ・ブラックにしては比較的聞きやすいですね。キャッチーになった印象があります。路線としては前作に近い感じかな。
キャッチーになったとか言ってますけど、一般的に言われる「キャッチー」とはほど遠いです。やはり、ノルウェー産プリミティブ・ブラックらしく全体的に邪悪な楽曲で埋め尽くされています。サウンドがよくなってるので、特有のチープさがなくなっているのが少し寂しいです。
やはり「ラジカセでレコーディングしたのかよ」という感じがないと少しもの足りませんが、普段ブラックメタル聞かない人でも楽しめそうな感じです。
★★★★☆(ラジカセでレコーディングしてないので)